マダケ類は枝が二本。
モウソウチクの筍畑では生えた年を管理します。
先止めの絵
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平成28年6月22日(水)s
テキスト「竹にまつわる問答集」出来
A4・カラー・印刷の鮮やかなコート紙・表紙込みで 36 頁
一部抜粋します。
Q52.モウソウチクなどのタケノコの成長の早さは、どういう理由によるものでしょう?
1.稈がゴムに近い化学組成で伸びやすいから
2.太陽の角度によって葉の向きを変え、光合成の効率がよいから
3.前の年に蓄えた養分を利用して伸びるから
正解:3(前の年に蓄えた養分を利用して伸びるから)
タケは、光合成を行って得た栄養分を地下に貯蔵して、次の年のタケノコの成長に使います(球根に似ているかも)。この点が、多くの植物が光合成を行いながら伸びていくのと異なっています。またタケは、先端の他に何十個もある各節に成長点を持っており、節と節の間がほぼ同時に拡がるため、結果的に成長が早いと考えられています。ただし成長が早いといっても、一気に伸びた後は、枯れるまで伸びも太りもしません。また一本一本の伸長成長(高さが高くなること)が早いだけで、一定面積当たりの光合成量が多いとは限りません。タケは成長が早い→二酸化炭素を早く吸収する→環境に優しい・・と単純に宣伝されることがありますが、科学的な裏付けはありません。
Q27.かぐや姫の「竹取物語」の起源は次のどの時代と一般には言われているでしょうか。
1.有史以前
2.奈良時代
3.平安時代
4.鎌倉時代
5.室町時代
正解:3(平安時代)
作者も成立年も不詳ですが、源氏物語などで言及されていますのでそれ以前の成立と考えられています。作者は古今和歌集の選者の一人である紀貫之であるという説もあります。この舞台の都は平安京(現在の京都市辺り)ではなく、平城京(奈良の辺り)や恭仁京(木津川の辺り)などであろうと考えられています。またこの時代にはまだモウソウチクは日本に導入されていませんので、ここに出てくる竹はマダケと思われます。
竹の位置付けとしては木材などの資材に比べ粗末で安価なもの、という描かれ方に注目していただくのもいいかも知れません。竹は木材より劣化が早いためでしょう。
Q19.自然に拡大するタケを伐採する活動が一部で行われていますが、タケの成長の特徴から考えて、拡大を阻止するための伐採に適した季節はいつでしょう?
1.春先のタケノコの出る季節
2.夏季のタケノコの成長が終わった季節
3.秋の日長が短くなる時期
4.冬の休眠期
5.どの季節でも関係ない
正解:2(夏季)
春先に地面に顔を出したタケノコは夏までに伸長成長を終え、それから枝葉を展開しますが、その時期が伐採に最も有効とされています。それは、タケノコの成長に地下の栄養分を使い、葉を展開して光合成を始める直前なので、貯蔵養分が最も少なくなる時期で再生力が弱いと考えられるからです。ただし暑い夏期の作業はとても大変で、人間側の都合とは一致しないようです。
Q50.タケとササは,一般的には大きさが違うとみなされていますが、植物分類学での識別は別の点に着目しています。次のどれでしょう?
1.葉の形
2.花の色
3.皮(稈鞘)の脱落の仕方
正解:3(皮の脱落の仕方)
いわゆる「竹の皮」(植物組織の名としては「稈鞘」といいます)が、タケでは基部を除いて脱落しますが、ササでは残ります。葉の大きさなどもある程度参考になります(一般的にササは葉が大きい)。また葉の葉脈のタイプも異なるようです。なお七夕の笹の葉飾りは、実際にはサイズの小さなタケ類か,タケの枝部分を使うことが多いようです。
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竹検定の作問と解説は、農学博士、工学博士、大学教授、業界専門家
などによって
科学的背景に基づいてなされています。
「正解」は主催者が現時点で正しいと考えるものを載せます。
しかし異なる意見や説がある場合、栽培法などは地域による差異がある場合、
あるいは学問の進歩などにより正解が変わる場合もあります。
充分に配慮をしますが、ご意見・異議などはお知らせ下さい。
問
タケが成長が早い理由は?
<光合成が活発、地下茎に蓄えられていた栄養、稈(かん;竿の部分のこと)の化学組成・・・
などから選択>
問
放置竹林の多い都道府県は?
<京都、大分、静岡、、、から選択>
問
タケとササの見分け方は?
問
京都市内で何種類ぐらいのタケが見られるか?
問
茶道で抹茶を点てるのに使われる茶筅の竹で多いものは?
<モウソウチク、マダケ、ハチク、・・・などから選択>
問
「竹取物語」の成立はいつの時代?
問
火縄銃の火縄と、白朮祭(おけらまいり/をけらまいり)の吉兆縄に使われる素材は?
<稲藁、マダケ、その他の竹、、、などから選択>
問
モウソウチクの一日の成長の最高記録は何cm?
問
タケは地上に出てから節の数はどうなる?
<増える、変わらない、減る、種類による、などから選択>
問
タケの増え方で日本で多く見られる方法
<種、地下茎、接木・株分け・・・などから選択>